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さんまは目黒に限る。




純基先生。

「そういえば代表は、 『たかべは式根島にかぎる』 って言ってたな。」


助六がぽつりと言う。

「洒落てたんだなぁ。」


しばらく間があって、 純基先生が笑う。

「あらためて 聞いてみないとな。」


魚は変わる。

けれど、 人が語る場所は 変わらない。



歌川広重

「名所江戸百景 目黒爺々が茶屋」


『名所江戸百景』より

版元:魚栄(魚屋栄吉)安政4年(1857)


東京都立図書館所蔵




さんまは目黒に限る。


目黒に海はない。

それでも、誰もがこの噺を知っている。


ある日、殿様は郊外へ出かけ、

炭火で焼いた秋刀魚を口にした。

その味が、忘れられなくなった。


城へ戻り、殿様は秋刀魚を所望する。

最高の仕立てで供された一皿。

けれど、あの日の味ではなかった。


変わったのは、魚ではない。

場所だった。

時間だった。


だから、この噺は語り継がれてきたのだろう。


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