top of page

今日は何マグ?






歌川国安


「日本橋魚市繁栄図」 文政12年(1829)、大判錦絵三枚続 ボストン美術館蔵



「何マグ?」は、マグロ一尾の重さをたずねる、仕分け現場ならではの洒落。

日本語の略し言葉をもじって、重い魚を運ぶ力仕事や熱気を、軽やかな笑いに変えます。


海で獲られ、船に揚げられ、

市場へ運ばれ、競られ、さばかれ、

刺身のひと切れ、握りの一貫になる。


はじまりは「何マグ?」。

オチは、ひと口「モグ」。


マグからモグまで。

重さも熱気も、最後はひと切れ、一貫のうまさになります。


そのマグロを、江戸の絵師も描きました。

絵の左端の店先には切り分けられたマグロ、右端には「寿」の暖簾を掲げた、すし屋とみられる店。左下には、大きな魚(マグロとは断定できず、カツオかもしれません)を棒に吊るし、二人で運ぶ姿も見えます。重そうですね。


桶や盤台には赤い魚や黒い魚、

籠には小さな魚も描かれています。


魚の数だけ、運ぶ人、買う人、飛び交う声。

呼び名や街は変わっても、魚を囲むにぎわいは続きます。


今日は何マグ?

そして、ひとモグ。




bottom of page