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熨斗鮑




七月に入る。

まだ、夏は始まりきらない。


市場は、鮑で賑わい始めた。


祝いの席に添えられる

「熨斗」。


その始まりは、

一枚の鮑だった。


紙になる前。


祝いは

海から始まっていた。


そして、

また物語が始まる。





伊勢の海士長鮑制之図

豊国 画|加ゝや版

万延元年(1860年)


『伊勢の海士長鮑制之図』より


国立国会図書館所蔵




一枚の鮑から始まった祝い


古くから、

鮑は長寿と繁栄を願う縁起物として

親しまれてきました。


薄く延ばし、

丁寧に乾燥させた


熨斗鮑(のしあわび)


それは、

祝いの品に添えられる

最も尊い贈り物でした。


時代は変わり、

鮑は紙へ姿を変えても、


祝いの心だけは、

今も受け継がれています。




魚噺


魚種

(市場通称)


Haliotis spp.

ミミガイ科


※ 「鮑」は一種の魚介ではなく、

日本で親しまれている複数のアワビ類の総称です。

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