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土用の丑の日 号外


うなぎと言えば




先生。


もうすぐ土用の丑の日です。



そうか。



そこで今日は、


みんなに聞いてみました。



何をだい。



うなぎと言えば?


です。



嫌な予感しかしないね。



まず。



鰻丼。



ほう。



鰻重よりコスパが良いそうです。



市場の人間らしい。



そうですかね。



夢より先に原価を見る。


立派だ。



次。



うなぎいぬ。



当然だ。



当然なんですか。



食べ物ですらありません。



次。



蒲焼。


白焼き。



まともだね。



ただし酒は飲まない。



ではなぜ白焼きなんだ。



謎です。



次。



蒲焼。


酒を飲むなら白焼き。



こちらは話が通じる。



最後。



うなぎパイ。



ほう。



それが一番売れてる。



身も蓋もありません。



市場は売れてなんぼだ。



先生。



なんだい。



みんな違いますね。



そうだね。



先生は?



うなぎいぬ。



もう聞きました。



ではお前は。



私ですか。



うなぎと言えば、


肝。



肝吸いか。



いえ。


噺の肝です。



ほう。



蒸すか。



うん。



焼くか。



うん。



そこです。



やっと市場の話になったな。



ところで先生。



なんだい。



ひつまぶしが人気だそうで。



そうだね。



あれは何前ですか。



名古屋前だろ。



なるほど。



いや待て。



なんです。



薬味を入れる。


出汁をかける。


味を変える。



はい。



案外、


江戸前かもしれん。



そうなんですか。



同じ魚を、


最後まで楽しむための工夫だ。



なるほど。




築地場外市場




土用の丑の日。


丼を見る人。


漫画を見る人。


酒を見る人。


菓子を見る人。



市場の人間は、


まず手当を見る。



蒸すか。


焼くか。


どう食べるか。



文化は案外、


そんなところに宿っている。



江戸前は続く。



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